転落事故で約9000万円を獲得した事例(交渉開始から解決まで4年)
- 事案内容
- 建売住宅の資材の搬入業務に従事していた依頼者(20代、男性)が建設中の2階の梁から転落し、脊髄損傷等の負傷を負い、労災保険の後遺障害等級2級22号の認定を受けた事案。
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- 交渉の経過
- 今回の労災事故の関係者は、建売住宅を建てて販売する住宅メーカー、実際に住宅を建築していた中規模工務店、資材の搬入・大工の補助を行う依頼者の所属会社の3社でした。
3社に対し、転落に関する責任追及を行ったところ、安全帯を使用していなかった依頼者の責任であると主張されました。
しかし、事故現場には安全帯を使用するための親綱は張られておらず、安全帯は使用したくてもできない状態でした。
事故現場の状況について争いがある場合、話し合いでの解決は困難と判断し、訴訟提起に踏み切りました。
訴訟でも、相手方会社らは交渉段階と同様の主張を維持しましたが、親綱設置時の業界規則を指摘し、仮に親綱が設置されていたとしても親綱利用可能人数が大幅に超えているため、適正な墜落防止措置ではない等の主張を行いました。
最終的に、こちら側の主張は裁判所に受け入れられ、労災事故の関係者3社に対し、約9000万円(労災保険金、上乗せ保険金を除く)という高額な賠償が認められました。
- 弁護士からのコメント
- 裁判になれば、当事者が異なる言い分を主張し、どちらかが嘘をついている状況になることは珍しくありません。
本件事件も墜落防止措置として親綱を張っていたかどうかについて、当事者の主張は真っ向から対立していました。
労災事故に関し、労働基準監督署の調査も行われましたが、そこでも当事者の主張は対立しており、労働基準監督署は「判断できない」として、半ば匙を投げていました。
今回は、裁判でこちら側の主張がほぼ認められましたので、依頼者様もご満足いただける結果となりました。
過重労働による脳梗塞で約6000万円を獲得した事例(交渉開始から解決まで4年)
- 事案内容
- トラック運転手として平均して月120時間の残業を行っていた依頼者(40代、女性)が過重労働を原因とした脳梗塞を発症し、高次脳機能障害や片麻痺などの重い後遺障害を負い、労災保険において後遺障害等級5級の認定を受けた事案。
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- 交渉の経過
- 脳梗塞を発症後はリハビリに多くの時間が必要であるため、労災認定・後遺障害等級の決定まで約2年半を要しました。
その間に、相手方会社に対し残業代請求訴訟を行いました。
残業代請求訴訟で労働時間数について徹底的に争いましたが、その過程で労働時間が精査されたので、後遺障害等級が決まったら直ぐに労災損害賠償請求訴訟を行いました。
労災損害賠償請求訴訟では既に労働時間の精査は終えていましたので、主な争点は後遺障害等級に絞られました。
後遺障害等級については双方で医師の意見書を出し合うなど徹底的に争いましたが、最終的にこちら側の主張が認められ、約6000万円という高額な賠償を勝ち取ることができました。
- 弁護士からのコメント
- 過重労働で脳梗塞などを発症した場合、労災認定までには少なくとも1年以上を要し、さらに後遺障害等級認定にはリハビリ等もあるのでさらに時間が必要です。
その間にも、残業代請求などの今後の労災損害賠償請求に有利に進めるための手続を行うことは可能です。
今回でも、後遺障害等級認定前から残業代請求訴訟を提起して徹底的に争っていたことが功を奏し、労災損害賠償請求訴訟を比較的短時間で終えることができました。